橿原市今井町

今井町の始まりは十六世紀中頃で、やがて浄土真宗の寺内町として発展します。一時、本山である本願寺に応えて「四町四方ニ堀ヲ堀リ土手ヲ築キ」などして織田信長方と戦いましたが、のち武力を放棄し、その後は一貫して商業中心の自治都市的性格を保ち続けました。
江戸時代中頃の最盛期には人口約四千人家数千軒余りを数え、独自の紙幣を発行していました。旧環濠内の景観は多くの変遷を繰り返してきた姿ですが、それでも当時の町並をよく残しています。
現存する七百軒余りの民家のうち五百軒余りが伝統的な町家で、なかでも八軒が国の、二軒が県の指定文化財となっています。

橿原市教育委員会